今回の鬼滅の刃は
主人公である
竈門炭治郎について
お話したいと思います。
圧倒的な長男力で人々の心をつかむ
THE主人公ですよね。
天性の人たらしで
鬼殺隊のお袋的ポジションも担う
圧倒的人気の主人公です。
鬼になった妹である禰豆子を
人間に戻すために、
鬼殺隊に入隊しました。
心優しい少年であり、
その慈悲の心はどんな悪鬼に対しても
安らかな念仏を願うほどです。
当初は
「鬼を前にしても優しさの匂いが消えない」と
鱗滝に心配されていましたが、
戦闘経験を重ね、
強さや逞しさも育まれます。
「上弦の肆・半天狗」に向かって
「責任から逃げるなァァ」と
声を荒げたり
家族の仇である無惨に対しては
「地獄に行くのはお前だ」と
怒りを全面に押し出して
戦う場面が増えています。
それでもこれまでと変わらず、
むしろ以前に増して周囲から
慕われているのは
やはり炭治郎の言動の根本に、
必ず優しさがあるからなのでしょう。
炭治郎の怒りは自分もためではなく、
大切な誰かを守るため。
剣士として成長した今も、
心の中心にあるものは
他者への思いやりや愛情なのです。
託され、託す、鬼殺隊は炭治郎にとって
「新たな家族」なのです。
当初は鬼を連れた隊士である炭治郎を
信用するものは
誰ひとりとしていませんでした。
善逸や伊之助はいましたが
「禰豆子の味方は自分しかいない」
という考えが強かったのではないかと
思います。
けれども
そんな炭治郎の心境は、
任務をこなすうちに
少しづつ変わっていきます。
炭治郎自身の明るく、
真面目な性格と、
禰豆子とともに鬼殺隊の一員として
ひたむきに戦う姿が
周囲の人間の心を動かしていくのです。
柱会議では斬首を主張していた煉獄は
「俺は君の妹を信じる」と
最後の言葉を残し、
悲鳴嶼は
「私は君を認める」と
声をかけるなど、
柱たちからも鬼殺隊の一員として
受け入れられていきました。
村田や先輩隊士や陰の後藤からも
可愛がられている事からも、
現在の鬼殺隊は炭治郎にとって
新たな居場所であり、
「もうひとつの家族」といっても
過言ではないでしょう。
炭治郎の心境の変化が
顕著に現れているのが
「俺に力を貸してくれているみんなの願いは想いは一つだけだ 鬼を倒す事 人の命を守ること 俺はそれに応えなければ!!」という台詞です。
この時の炭治郎は
禰豆子に背中を押されたとはいえ、
鬼殺隊士としての責務を全うするため
鬼の首を斬る事を優先しています。
無限城で
死闘を繰り広げていた時の炭治郎は
かつてのように
「自分しか禰豆子を守れない」とは
思っていないはずです。
万が一自分が命を落としたとしても
鬼殺隊の家族たちが自分の意思を継ぎ、
禰豆子を守ってくれると
そう信じていたのではないでしょうか。
複数の呼吸を習得し、
「隙の糸」「透き通る世界」などの
特殊能力を有している炭治郎は、
チートのように
思えるかもしれませんが、
答えはもちろんNOです。
生まれながら常人の何倍もの
優れた嗅覚が備わっており、
代々ヒノカミ神楽を継承する
家の出である炭治郎は、
戦闘に役立つであろう素質を
持っていました。
ただそれらを
戦闘に活かせるようになってきたのは、
炭治郎自身が戦場で常に思考し、
試し続けてきたからなのです。
既存の型である
「ねじれ渦」と「流流舞い」を
組み合わせた
「ねじれ渦・流流」
ヒノカミ神楽「円舞」に
善逸から教わった
「霹靂一閃」の足運びを組み合わせた
「円舞一閃」など
応用技を多く生みだしているのも、
炭治郎の思考力とチャレンジ精神の
賜物だといえるでしょう。
命がかかった大一番でも、
思考を放棄せずに
戦技の進化を模索し続ける、
失敗を恐れずにトライ&エラーを
繰り返せるこの粘りこそが
炭治郎の強さの源なのだと思います。
鬼滅の刃のアニメが
大ヒットした要因のひとつには
丹念に描かれた、
戦闘シーンの映像美があります。
その中でも特に
ヒノカミ神楽の演出は
チョットした鳥肌ものです。
その演出の初登場は
下弦の伍の累との戦いの最中でした。
赤く燃えさかる日輪刀で
大きな円を描きながら、
繰り出される迫力満点の「炎舞」は
印象的なBGMもあり、
心に残る名シーンです。
また、炎舞以外の技でも
神楽を連想させるような
軽やかな動きが目立ちます。
上半身をひねったり、
宙返りしたりと、
全身全霊で斬るかかるというよりは、
剣舞のようなイメージです。
どうか鬼が苦しまずに
逝けますようにと、
動作に祈りが込められているかのような
ヒノカミ神楽は、
鬼にも憐れみの気持ちを向ける炭治郎に
相応しい技だといえるでしょう。
炭治郎に
石頭という設定がつけられたのは
おそらく炭治郎の「真面目」
という要素に起因しているのでしょう。
悲鳴嶼に
君を認めるという言葉に対して
「ここまでこれたのはみんなのおかげなので、俺を簡単に認めないで下さい」
と返した炭治郎には、
背景に「頭カチコチ少年」という
キャッチフレーズがまさに
ピッタリです。
また炭治郎の母親は
猪を頭突きで撃退した逸話の持ち主
とのことですから、
母親も負けず劣らずの
生真面目な人だったと
想像することができますね。
これからの活躍を映画でもアニメでも
早く観たいものですね。
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